日々同じことの繰り返し。
何も変わらない毎日。
今のこの生活を変えたい。何か始めなきゃ。
でも何をどうすればいいかわからない。
そんなあなたに超オススメの1冊です。

- 作者: デイル・ドーテン
- 出版社/メーカー: きこ書房
- 発売日: 2015/01/20
※絵本じゃありません。
わいはいま、青年海外協力隊としてサモアで活動しています。
子どもたちの算数の学力向上と、先生たちの授業力向上という名目でここにきているのですが、サモアの先生って全然働きません。
労働時間は朝8:30〜14:30。
短時間集中!ってわけではなく、このうち約2時間はお茶飲んだり、ぼーっとしたりして過ごしています。もちろん子どもはほったらかしです。
初めの頃は「うわお!楽チン!ラッキー!」とか思ってたんですが、日が経つにつれ自分の存在意義を見失い始めました。
毎日まいにち学校に行っては時間を無駄にする日々。
何か始めないと。
まずは計画と準備だな。
でも何をすればいいだろう?
うーん…
そんなことを考えていたら、知らぬ間に1ヶ月が経っていました。
もちろん、なーんにも身になることはできてません。
毎日が面白くない。全然仕事が楽しくない。
そんな時に出会ったのがこの本でした。
あらすじ
出張の帰りに、大雪のため一昼夜空港のロビーに足止めされた「私」。そこで出会ったある老人に、つい仕事で鬱積(うっせき)した感情をぶつけてしまう。老人は実は、企業トップがアドバイスをほしがるほどの高名な実業家。その含蓄ある言葉に「私」はしだいに仕事観を揺さぶられていく。
本書はカテゴライズすると「ビジネス書」になります。
しかし、本文はしがない会社員「私」と実業家であり人の良いおじいさんの「マックス」との空港での会話という物語調で書かれているため、スラスラと読めちゃいます。
対話形式ですすんでいく構成は、「幸せになる勇気」と似ています。
読書メモ
目標なんていらない、飛び跳ねろ!
僕はこの先、いまとは違う人間になっていこうと思っている。だけど、いまから五年後に〈どんな人間に〉なっていたいかなんてわからないし、〈どんな地位に〉ついていたいかなんてことは、なおのことわからないよ」
マックスはおしゃべりなくらい、いろいろな話をしてくれたが、現実に役立ちそうなものだとは思えなかった。私は話をさえぎり、こう反論した。
「目標がなければ、進歩の度合いをはかることができません。それはつまり、軌道修正ができないということです。あなたの考えはただ〈あちこちに飛んでいる〉だけだ」
「跳びはねることを馬鹿にしないでほしいな」マックスは大声でそう言い、吠えるような独特の笑い声をあげた。「人生はめいっぱい跳びはねなきゃ!」
そして私の肩をつかみ、ぎゅっと力を入れた。「この先はけっこう難しい。とにかく僕の話をよく聞いてくれ……」
彼は話を続けた。「僕たちの社会では、時間や進歩に対して直線的な見方をしている。そういう見方を、学校でじわじわと浸透させるんだ──人生とは、やるべき仕事や習得すべき技術や到達すべきレベルの連続なのですよ。目標を設定して、それに向かって努力しなさい、とね。だけど、人生はそんなに規則正しいものじゃない。規則から外れたところでいろんな教訓を与えくれるものだ。人生は学校の先生にとっては悪夢だろうね」
マックスはじっと私を見て、僕の言ってることがわかるかねという目で問いかけてきた。
”明日は今日と違う自分になる〟だよ。
〜中略〜
「〈毎日〉変わっていくんだよ? それは、ただひたすら、より良くなろうとすることだ。人は〈違うもの〉になって初めて〈より良く〉なれるんだから。それも、一日も欠かさず変わらないといけない。いいかい、これはものすごく大変なことだ。そう、僕が言ってるマンネリ打開策は簡単なんかじゃない。とんでもなく疲れる方法だ。だけどわくわくするし、〈活気に満ちた〉方法でもあるんだ」
私は口を挟みたかったが、マックスは自分の話に夢中で、諭すようにこんな話をした。
「人生は進化だ。そして進化の素晴らしいところは、最終的にどこに行き着くか、まったくわからないところなんだ。」
「目標」のあり方についてのやりとり。
この
『人生を飛び跳ねる』
『明日は今日と違う自分になる』
という言葉は、本書で何度も出てくるキーワードになってます。
目標をバシっ!と決めて、それに向かって努力するのもかっこいいけど、「日々良くなろう」の繰り返しで、自分の予想だにしていなかったところにたどり着いちゃう人生、めちゃくちゃわくわくしませんか?マックスの生き方かっこいい。
人生は一つのストーリー。映画でも、小説でも、先がわかってる話なんて観たくも読みたくもないですよね。
アイデアの生まれかた
「製品開発の話の中で特に僕が気に入っているのは、コカ・コーラの話だ」とマックスは話し出した。
「もう一世紀近く前になる──ああ、質問される前に断っておくけど、僕はそんな昔に生きてこの話を聞いたわけじゃないからね。
アトランタにジョン・ペンバートンという薬屋がいて、何十種類もの治療薬を考え出していた。女酋長の白髪染め剤とか金梅草の咳止めシロップとか、フランスワイン色のコカの木とか、人生を三倍楽しむための丸薬といった名前の薬をね。
ある日、ペンバートンが店の奥にある部屋に入ると、従業員の二人──店員の二人だ──が、彼が新しくつくったシロップ状の頭痛薬を水で割って飲んでいたんだ。別に頭が痛かったわけじゃないのに、だよ。
ペンバートンは、興味をそそられた。水で割ったその頭痛薬を飲んでみる。悪くない。もしかして、ソーダ水を入れてシューッと泡を出したら、もっといい味になるのかも。そして彼はソーダ水を加え、コカ・コーラという名前をつけて店で売ることにした。
ついでだけど、コカ・コーラのあの流れるような字体のロゴは、広告代理店やデザイナーが考えたものじゃない。あれはね、ペンバートンの仕事上のパートナーが、売上げの記録をつけていたノートに書いていたものなんだ。
わいは、この本読むまで知りませんでしたが、有名な話みたいですね。
マックスはさらに、アイデアについて「私」に実在の企業や人物の小噺を交えて話してくれます。
「一九六〇年代のことだ」
彼は先を続けた。「ディック・フォスベリーという男がいてね、のちに〝背面跳び〟として知られるようになる跳び方を編み出した。彼は走り高跳びの選手で、初めて後ろ向きにバーを跳び越えたんだ。
一度フォスベリーに会う機会があって、メキシコ・オリンピックで獲った金メダルも見せてもらったんだけど、そのとき、どうして後ろ向きにバーを跳ぼうと思ったのか、聞いてみた。
’彼によると、中学生のときははさみ跳びをしていたそうだ。これだと、ほぼ立っているときの姿勢のままバーを跳び越えることになる。でも大学に入ると、コーチに〝回転〟をかけるように指導された──この跳び方では、体は下向きで、ひざと肩がまずバーを越えることになる。ところがコーチは、フォスベリーが垂直跳びがあまり得意でないことを知ると、じきに彼への興味をなくしてしまった。そのとき、フォスベリーは、昔やっていたはさみ跳びに戻って、ああでもないこうでもないといろいろ跳んでみるようになった。
フォスベリーは、はさみ跳びで失敗するのは、お尻がバーにあたってしまうからだということに気がついた。そこで彼は跳ぶときにお尻を持ちあげるようにしてみたんだが、そのために体を後ろへ傾けることになった。やがて、あまりに後ろへ体を倒すためにはさみ跳びをしなくなってしまったが、彼はすでに独自のスタイルをつくり出していたんだ」
コカコーラの話といい、背面跳びの話といい、これらの共通点は両方ともたまたま生まれたものであるということ。
つねに問題と向き合って、アンテナを張っていると、思いもよらないタイミングやきっかけで、アイデアが生まれる。
でも、ただただ、問題とじーっと向き合って、アンテナを張っていても、口を開けているだけじゃぁダメだ、とマックスはいいます。
「つまりあなたがおっしゃっているのは、私は状況を、ぼんやり座って、待って、見守るだけでいい、そうすれば素晴らしいアイデアが現れる、ということですね」
マックスはニッと笑って、片手をあげ、私の指摘に合わせて指を折り曲げながら言った。
「答えは、ノー、ノー、イエス、イエスだ──ぼんやり座っていることに対しては〈ノー〉、待つことに対しても〈ノー〉、見守ることに対しては〈イエス〉、素晴らしいアイデアが現れることに対しても〈イエス〉だ。だけどもう一つ、忘れちゃいけない〈イエス〉がある。新しい考えを試みることに対する〈イエス〉だ。
ジョン・ペンバートンはぼんやり座っているどころか、頭痛薬をはじめ何十種類もの新しい治療薬を開発していた。まぐれ当たりという意味では、何かを発明することはなかったけど、薬からソフトドリンクを生み出した。リーバイ・ストラウスもぼんやり座ってなんかいなかった。彼は大陸を東から西へ旅していたし、何が売れるか考え続けてもいた。
この二人に比べて、ドン・クーパーは、素晴らしいアイデアが文字どおり呼吸を始めるのを目の前でじっと見守っていたね。もっとも、素晴らしいアイデアだと気づいて積極的にそれを試したわけではなかったけど」私は声を大きくして言った、「つまり結論は、『何もするな、そうすれば素晴らしいアイデアがやってくるだろう』じゃない。『〈あらゆること〉をしろ。素晴らしいアイデアは、どこからやってくるかわからないのだから』ですね」
「いいかい、できることはどんどん変えてごらん。みんなが、きみが変えていることに気がつくくらいに何でも変えるんだ。好奇心を旺盛にすること。実験好きな人だと評判になったら、みんなのほうからアイデアを持ってきてくれるようになるよ
アイデアは、どこからやってくるかわからないから、あらゆることを試すこと、変えること。
最後に、こうしめくくられています。
きみが〝試すこと〟に喜びを見い出してくれるといいな。 アイデアをいっぱい持つこと。ありとあらゆることをやってみること。明日は今日とは違う自分になること。
おわりに
この本を読んで、授業の仕方、同僚へのアプローチのしかたなど色々「試す」日々を送っています。
まだまだ結果は出ませんが、充実感が全然違います。同じ日々なのに。
自分の生活に満足できてない方
なんかせなあかんと思ってるけどどうしようって方
そして行動力を身に付けたい!って方
ぜひ!
最後まで読んでくださってありがとうございました
ではまた!