青年海外協力隊

文字が読めない子ども、『あの子は頭が悪いんだ』という先生

きのう、はじめて「文字・数字が読めない子ども」と出会った話。

ぼくが今いる、サモアという国は識字率も、就学率も、とても高い。

top10.sakura.ne.jp

この国の学校で働き出して、かれこれ8ヶ月が経ったけれど、計算がすごく遅い子や、自閉傾向のある子はいるんだけれど、文字・数字がからっきし読めない子は今まで出会ったことなかった。


きっかけは、算数の授業だった。

Year4(日本でいう3年生)の教室で、数字を書いたカードを使った算数遊びをしているときに、どうも様子がおかしい子を見つけた。よくよく見ると、どうやら数字の読み方があやふやみたいだった。

だから、次の日に教室から連れ出して(体育館裏とかじゃない)、ぼくの部屋で個別指導をしてみた。それが昨日の話。

他にも学習がゆっくりな子2人を連れて、一緒に勉強をした。

はじめに、A4くらいの画用紙に数字を書いたフラッシュカードで、数を読む活動をしたんだけど、やっぱり、その子だけ一呼吸遅れて数字を読む。他の子の読む音を聞いて、マネしているようだ。

それで、「よし、まずはこの子とは数字の読み方を一緒に勉強しよう!」と思って、0〜9の数字を書いた小さな四角いカードと、その読み方をアルファベットで書いたカードで、神経衰弱をしてみた。

するとどうだろう。数字が読めないのはわかっていたけれど、文字も読めないことがわかった。

そこからは、もう、どうやって数字の読み方を教えたらいいのか、あれこれと試してみたんだけど、ぼくのつたないサモア語では言いたいこともほとんど伝わらず、なかなか苦労した。

けれど、その子は頑張って、なんとか0〜5の数字は読めるようになった。がんばりに拍手!


これはこれは、ぼくにとって衝撃的だった。

よく、「世界には文字が読めない子がいるんだよ」とか、「学校にいけない子どもがいるんだよ」って、テレビや本や先生が教えてくれたし、自分も子どもたちに言ったことがあるけれど、自分が出会ったのは、はじめてだったから。

個別指導が終わったあと、校長先生と担任の先生に、「あの子、文字読めないみたい…」と話した。すると、2人とも口を揃えて、これまた衝撃的な一言。

「あぁ、あの子は頭が悪いからね。しかたない。困ったもんだよ。」

これが、”先生” の口からでたのが、ぼくはショックだった。

ぼくら日本の先生の感覚(少なくともぼくの感覚)では、そういう子と出会ったら、「文字が読めるようにしてあげたい」とか、「担任のぼくに責任がある」って感じると思う。

でも、サモアの先生たちは違うみたい。

「あの子は頭が悪いから。しかたない」で、終わり。

心の底から「なんで先生になったんや?」と、思う。怒りの感情すら、湧いてくる。

学校に通うことができなくて、文字が読めない、計算ができないなら、まだ仕方ないかとも思う。
でもさ、毎日学校に通えてるのに、文字は読めないし、計算もできないなんて、おかしいって。

なんのための教育?
なんのための学校?
なんのための先生?

そもそもこの国には、教育に対する希望がなさすぎる。教育の力を信じてる人が少なすぎる。

先進国ではないけれど、電気も水道もガスも十分にそろっていて、そのどれもが安定している。停電や断水なんてめったにない。
それに、海外に住んでいる親族がお金を送ってくれるから、将来仕事につかなくても、ゆたかな生活が送れる。モノもたくさんある。あふれかえっているくらい。

すでに満たされてるんだよ、この国は。

だから、子どもから、学校でもっと勉強して、○○になりたい!みたいなモチベーションを感じないし、この子たちにいい教育を!っていう先生の想いもない。って、そんなのは、ぼくの妄想だったのかな?

そんな国、学校のためにお手伝い?ボランティア?
ぼくは何しにここにきたんだろう、とすら感じる。


さいごのほう、少し話がそれちゃいました。オチもない話を。

とにかく、すごくすごく、もやもやする出来事でした。

自分がここにいる意味っていうのを、また、見失っています。
でも、ここで腐ってしまったら、それこそ何しに来たのかわからない。この2年間を棒に振るだけになってしまう。

きのう、最近Twitterでなかよくなったタイで活動中のこうしろさんのブログを読んで、自分のこの環境でできる最大の努力をしようって思えました。ほんと、素敵な文章書きはるんです、こうしろさん。

kamenotsuno.com

 

大好きな目の前の子どもたちのために、引き続きコツコツと。

小さいことしかできないけれど、ぼくの力は、微力かもしれないけれど、無力じゃない。

そう信じながら、のこりちょうど1年間。来年の今日、帰国です。

できることを、できるだけ。

できそうなことも、できるだけ。

できないことは、無理しない。自分がしんどくなっちゃうからね。

最後まで読んでくださってありがとうございました。
ではまた。