サモア

『この嘘つき!』と一方的に罵られ、シバかれる子どもを見て感じたこと

 

2週間前に、奥さんが日本から遊びにきた。

そのときに、ユニクロで買ったTシャツを家族みんな分プレゼントとして持ってきてくれた。

奥さんが帰って2週間。

子どもたち(中1の男の子2人)が着ている姿を1度も見ていないのが気になったから、聞いてみた。

 

『あかね(奥さんの名前)が持ってきた服って、もうもらった?』

 

すると

 

『まだもらってない』

という。

 

『ほんまか。じゃあ、見たことはある?』

と聞いてみた。

すると

 

『まだ見ていない』

という。

 

なんでだろう?という疑問と、このまま渡されないのでは?っていう心配から、ホストシスター(お姉ちゃん:ティノ)にも聞いてみた。

 

『あかねの持ってきた服、まだタマラウとレミ(男の子たち)がもらってないっていうんだけど、どこにあるんかな?』

 

ティノ(ホストシスター)はこう答える。

 

あの服は、お母さんがまだ渡してないの。衣装部屋のスーツケースの中に入ってるわよ。』

 

『なんで渡さへんの?』

と、わい。

 

今渡しちゃうと、あの子たちは絶対毎日の家事や遊びでその服を汚す。だから、学校のイベントや教会へ行く日、街にお出かけする日に着るようにとってあるの。

 

大切にしてくれてるんやな、という嬉しい気持ち半分。

いやいや、召し使いみたいにこき使われてる彼らが街に行ったり教会へ行くことなんてほとんどないやん…という、矛盾へのモヤモヤが半分。

『でも、2人は見たこともないって言ってるし、服をあげたあかねもきっと、たくさん着てくれるほうが嬉しいとおもうんやけどなぁ…』

 

 

なんて話していると、出かけていたお父さんとお母さんが帰宅。

 

さっきの話をお母さんに伝えるティノ。

すると、お母さん大激怒

 

何にかというと、子どもたち2人が『服をまだ見ていない』と言ったことに対して。

 

『この嘘つきが!』

と言って、2mくらいの距離から思いっきりサンダルを顔にぶつけるお母さん。
それでも怒りがおさまらなかったらしく、歩み寄ってグーパン。

 

その様子を見るに耐えなくなって、部屋に戻る自分。

 

1分くらいして

『ヒロ(わい)!!来なさい!!!』

と、怒り口調で呼ぶ声。

 

おかんのいる場所に着き

『何?』

とわい。

 

『これを見なさい!』

と、ユニクロの袋に入った服を見せるおかん。

 

『このとおり、特別な日のためにまだ渡さずにとってあるの。
私はちゃんと2人に説明した。特別なとき用にとっておくって。
それなのにこの子たちは…』

 

続けてティノが

『あのとおり、やっぱり取り置いているのよ。』

と。

うん。それはわかった。嬉しい。

でも、そうじゃない。モヤモヤする。

 

こう言ってみた。

『うん。それはわかった。大切に思ってくれてるみたいで嬉しいよ。
でも、もやもやしていることがある。
それは、タマラウのことを『嘘つき!』と呼んだこと。
 だれだって間違えることとか、勘違いすることあるやん。それなのに…』

 

と、話していると、その話に聞く耳持たず、話を遮りながら

 

私はあの子が毎日あの服を着たいから嘘をついていたんだと思う。
 絶対そうよ。彼はいつも嘘をつくの。

って。

 

『なんでそんなんわかるん?ただ間違えただけとか、話を聞いてなかっただけかもしれんのに、なんで嘘って決めつけるん?』

 

それがタマラウだからよ。彼は嘘つきなの。

 

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10分前の出来事です。

 

話し合おうと思ったんですが、わいの話に聞く耳をもってくれなかったので、自分の部屋に戻ってきました。

ずっと、『嘘つき』のくりかえしと、わいが考えを言おうとしたら遮って自分の主張最後まで聞いてくれない。

 

めちゃくちゃモヤモヤしています。

だから、ちょっとここで気持ちを整理させてください。

 

サモアの文化と家庭教育について改めて感じたことを書きます。

うちの家庭でのできごとなので『サモアの』とくくってしまっていいのかわかりませんが、おそらく、うちみたいな子どもの扱いをする家庭は多いと思います。

 

見栄っ張り文化。子どもへの信頼のなさ。ラジコンのように親に管理される子ども。

なぜ服を渡さずにとっておくのかについてティノ(シスター)と話しているときにこんなことを言っていました。

 

『学校に私服で行く日に汚い服を着ていくと「あそこのウチはみすぼらしいわね」とバカにされるの。だから、そのときのために新品の服をキープしているの

 

この「まわりに見栄を張る文化」がサモアにはそこかしこに見られます。

 

たとえば教育省の人が学校に視察に来るときなんかには、午前の授業をまるまる潰して校内の掃除とか、生徒をほったらかしで先生たちは教室の掲示物作り、みたいに。

 

良し悪しはわかりませんが、自分はこの文化には違和感を感じます。

 

今回もそう。

わいとオカンたちの見方の違いを考えてみました。

わいの感覚

  • 子どもたちに渡したプレゼントなのに、なんで親が管理してるん?
  • 毎日の家事で着るとぼろぼろになることくらい彼らはわかる。もしその服を大切に思うなら、自分で汚れないように考えて使うだろう。
  • いつになるかわからない「特別な日」を待つんじゃなくて、普段着としてたくさん着てくれたほうが嬉しい。

 

(おそらく)おかん・ティノの感覚

  • せっかく日本から持ってきてくれたプレゼント、大切にしないと。
  • 彼らは**絶対に汚すしボロボロにする**。だから、渡したらダメ。

 

 

『大切にしてくれている』

『大切にしよう』

っていう気持ちは、噛み合ってますよね。

 

でも、

『大切に感じる』→ どんな行動をとるか

の部分が大きくちがいます。

 

わいの感覚では、早く子どもたちに渡して着させてほしい。

おかんたちは、大切だから「特別な日」用にしよう!

という具合に。

 

この違いは、納得できます。

「ああ、そうなんか」って感じ。

 

 

でも

『絶対にボロボロにするから渡さない』

の部分は、断固納得できない。

 

”自分の服をいつ・どう着るのか”

という、そんな些細な選択すらうちの子たちは与えられていません。

 

完全に親の管理下です。

なんなら、親のラジコンのように言われたとおりにしか動きません。というか、うごかせてもらえません。

 

この親子の管理関係が、サモアの教育の諸悪の根源です。

 

決めつける親。

喋らせてもらえない、話すら聞いてもらえない子ども。

うえの話をよく読んでもらったらわかると思うんですが、タマラウ(子ども)は1度も
おかんに話してません。というより、「話させてもらって」ません。

 

うえのストーリーの中で、タマラウが

『まだぼくは服を見ていないんだ』

と言ったとします。

 

そしたら、わいが親なら

『えーっ?この前服見せて説明せんかったっけ?』

とか

『ほんまに?ちょっとよく思い出してごらん!』

とか

『ごめんごめん!見せたと思ったらまだだったか!』

とか、言うと思います。

 

でも、おかんはそうじゃなかった。

 

聞く耳をもたず

『この嘘つきが!』

と言って、サンダルを投げつけ、殴り倒した。

 

そしてティノは

『彼は嘘つきなの。服をたくさん着たいから、嘘をついたの』

と言う。

 

真実がどうだったのか、タマラウにまだ話を聞いてないからなんとも言えません。

でも、わいの感覚からすると

ありえません。

 

なんで、勘違いじゃない?とか聞き返さないのか。

なんで、自分が言ったと思い込んでるだけかもって考えないのか。

なんで、本人に一言も話すスキを与えず問答無用で殴り倒すのか。

 

まったくもって理解できない。

というか、ごめんなさい。

違う文化を前にこう言うのは良くないと思いますが、理解したくない。

 

 

サモア人は『豊か』なのか?

今日の出来事や考えたことは、最近よく考えるようになったこの問題に結びつく気がします。

 

サモアの人たちは

モノをたくさん持っています。

食べ物がたくさんあるから、お腹が空いて死ぬこともありません。

陽気です。

いつもニコニコしています。

大好きな家族と一緒にたくさんの時間を過ごせています。

 

でも、ほんまに『豊か』なんかな?って最近疑問に思います。

 

今日(というかほんのさっき)の出来事なんかもそう。

”嘘つき” と決めつけられ

考える時間も説明する時間ももらえず

殴られ、モノを投げられ

それでもやっぱり言いたいことがあっても聞いてもらえない

そんな扱い、というか「仕打ち」を受ける子ども時代。

毎日楽しく生きれる?

 

わいなら無理。

 

そんな子が大人になったら、きっと自分がされたように

子どもをあごで使い

会話は一方通行で聞く耳を持たず

気にくわないことがあれば殴り

自分以外の意見には耳を傾けない

ようになるんじゃないのかな。

 

これらから、「豊かさ」を感じられますか?

 

 

 

 

この出来事が起きて、約1時間ノンストップで推敲もせずに投稿したので、なんだかまとまらない文章になりました。すいません。

 

とりあえず、どこかに自分の言葉で残しておきたかったんです。

 

読んでくださってありがとうございました。

 

この出来事を、あなたはどう感じますか?
もしよければ教えてください。

 

ではまた。